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【内製と外注のバランス】開業時に最低限必要な機能と、それを支えるソフトウェアと専門家

  • 執筆者の写真: 正俊 矢尾
    正俊 矢尾
  • 4月30日
  • 読了時間: 4分

更新日:5月2日


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 スモールビジネスを立ち上げるとき、多くの方が「どこまで自分で対応できるか」で悩みます。飲食業やコンサル業など、業種を問わず共通して必要になる“経営機能”がありますが、それらをすべて一人で完璧にこなすのは現実的ではありません。


 このコラムでは、開業初期に最低限必要な機能と、それを効率化・補完してくれるソフトウェアや専門家について、必要なタイミングや活用シーンも含めて整理します。またソフトウェアや専門家への報酬は、多くの場合、サブスクリプション、顧問報酬といった形で定額払い(≒固定費)となります。特に売上の安定しない創業当初にやみくもに固定費を積み増すことは売上の多寡に関わらず支出が発生してしまい望ましくないため、いるもの、いらないものを確り整理していくことが重要です。



1. 会社経営に必要な「最低限の機能」


機能カテゴリ

主な役割

具体例

① 事業運営

商品やサービスの提供

調理、接客、コンサル、制作作業など

② 販売・マーケティング

顧客に知ってもらい、買ってもらう

チラシ作成、SNS投稿、広告運用、口コミ管理

③ 会計・財務管理

売上・経費管理、利益の把握

帳簿記録、確定申告、経営分析

④ 資金管理・資金調達

キャッシュの出入り管理、資金調達

資金繰り表作成、創業融資申請

⑤ 人材・労務管理

従業員管理・給与・労務対応

アルバイトの採用・勤怠管理・社保手続き

⑥ 契約管理

契約書作成・署名・保管

店舗賃貸契約、業者との取引契約など

⑦ 総務・庶務

雑務、情報整理、事務作業

備品管理、連絡対応、書類整理



2. 機能別:活用を検討したいソフトウェア


機能

使えるソフト/サービス

こういう時におすすめ

事業運営

スマレジ(POS)、トレタ(予約)

来店管理や売上集計を自動化したいとき

マーケティング

Canva、Instagram、LINE公式

デザインに自信がなく、手軽に発信したいとき

会計・税務

freee会計、マネーフォワード

レシート入力や請求書発行を効率化したいとき

ネットショップ

STORES、BASE、Shopify

お手軽にネットショップを立ち上げたいとき

労務管理

freee人事労務、マネーフォワード、ジョブカン勤怠、SmartHR

従業員がいる or 社会保険の加入手続が必要なとき

契約管理

CloudSign、DocuSign

契約書を電子データで送付・管理したい

総務

Notion、Google Workspace

情報共有や作業タスクを整理したいとき



3. 頼るべき専門家とその使いどき


専門家

こういう時に頼るべき

備考

税理士

複式簿記や税金の知識がなく、会社のお金周りに不安を感じられているとき

税金は申告ミスや遅延による延滞税や加算税のリスクが高いため、基本的に継続的な関与を前提に考えたほうが無難。特に法人の場合は税理士との顧問契約が一般的。

社会保険労務士(社労士)

従業員が増えてきて、労使関係のトラブル等を未然に防ぎたい

小規模な事業のうちは必須とまでは言えないが、会社規模が大きくなり自社のみでは人事労務関係の手続への対応が難しくなった場合は依頼を検討することが一般的。

司法書士・行政書士

法人を設立するとき、登記内容に自信がないとき

設立登記や役員変更、本店移転などを確実に進めるたい方。定款作成のみであれば、freee会社設立やMoney Forward会社設立で十分な場合も。

弁護士

契約リスクや取引トラブルが懸念されるとき

まずはトラブルが発生する懸念が高まった時にスポットで相談を依頼することを推奨。

デザイナー

ブランドイメージや第一印象が集客に直結する業種の場合

ロゴや店舗外観、Webデザインなどはプロに依頼することを検討。



4. 自力と外注のバランスをどう考えるか?


  • 売上を直接生むコア業務(例:商品づくり、接客、営業)は自分で全力を注ぐ

  • 会計・税務については、複式簿記や税金の知識がない、という場合は税理士への依頼を検討することが無難。間違えたり税金の申告納付期限を過ぎると罰金が発生する場合もあり。

  • その他の管理業務はエクセルまたは簡易ツールからスタートして必要に応じて専門家への依頼を検討。

  • 短期的に使う業務(例:ロゴ作成、Webサイト)などはスポット外注がおすすめ


「全部自分で」は破綻しやすく本来経営者が注力すべき本業に集中できない。
「全部外注」はコスト過剰となりがち。
「必要なときに、必要なだけ」のスタンスがベストです。

 まずは自分で回してみて、「ここが時間の無駄」「ここが苦手」と感じたところから、少しずつツールや専門家を取り入れていくことが堅実です。


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